東京都で不動産業を開業するときの手続き概要

東京都において、新たに不動産業を開業(起業)するときは、どのような手続きが必要になるでしょうか。

ここでは、業界で一般的なパターンとして、不動産会社に勤務していた宅地建物取引士の方が、1人で独立開業して会社を作り、不動産業を始める場合を例にとって説明していきます。

前職の退職手続き

まず、これまで不動産会社等に勤務していた(いる)宅地建物取引士の方は、その職場の退職手続きを進めることが先決になります。

理由は、独立後の不動産業開業の前提となる、行政庁への宅建業免許では専任取引士の常勤性が求められることから、他社(いまの職場)で働いたままの状態では、その要件を満たすことができないからです。

ただし、他社で働いている状態では宅建業免許の申請はできないことになりますが、不動産会社設立の手続きは進められるケースも多いです。このあたりは前職場(現職場)の副業禁止規定等に抵触しないか内容やタイミングを見計らいながら、可能であれば早めに会社設立の手続きだけでも進めていくほうがスムーズです。

物件の選択と契約

不動産業を始める場所は、どこにするかお決まりでしょうか。自宅の一室を使用するケースでは不要ですが、それ以外の場合にはどこかに会社の本店(不動産業の事務所)を借りることになります。

この際、バーチャルオフィスでは宅建業免許を受けることができませんし、レンタルオフィス、または1つの部屋を他社と共用する形式では、宅建業免許を受けることが非常に困難になります。

会社の本店(不動産業の事務所)をどこにするか決める際は、宅建業免許の要件をクリアする物件であるかどうか、しっかり確認しながら契約するようにしてください。

特に「まずは自宅で」と考えていると、宅建業免許の物件的な要件を満たさなかったり、会社の登記が禁止されていたり、思わぬ事態で起業の手続きが頓挫してしまうことにもなりかねません。

不動産会社の設立

不動産業は個人事業としても行うことができますが、大抵の場合、信用面や営業の容易性などから、独立と同時に会社を設立します。

会社形態は株式会社、合同会社、どちらでも不動産業を営むことに支障はありません。後々、事業拡大を図る予定なら株式会社、そうではなく自分一人、または家族経営的なら合同会社など、事業規模で選択される方も多いです。

東京都内で会社を設立する場合、株式会社なら定款を作成して公証役場で認証してもらい、その他設立に必要な書類とともに、会社の本店(事務所)を設置する場所を管轄する法務局に設立登記の申請を行うことになります。

東京都内の公証役場一覧

http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/table/kousyou/all.html

東京都内の法務局(出張所)一覧

http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/table/shikyokutou/all03.html

ちなみに、合同会社の場合は公証役場での定款認証が不要のため、書類が揃ったら直接に法務局へ登記申請することになります。起業のコストもそのぶん抑えることができるため、前述のように小さく起業する場合や家族経営的な会社を興すケースでは、合同会社が選択されることも多いです。

宅建業免許の申請

法務局で不動産会社としての設立登記が完了し、登記事項証明書(登記簿謄本)が取得できる段階に至ったら、次に不動産業を営業するために必要な「宅建業免許」の申請を行います。

※実際には、会社設立までのんびり待っていることはなく、法務局の審査期間約1週間を利用して、この期間に宅建業免許申請の準備を済ませる不動産業者さんがほとんどです。

東京都の宅建業免許の申請

東京都内に会社を設立した場合、通常、その本店を不動産業の事務所として届け出ることになりますが、この場合の管轄は東京都庁です。

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/sinsei/491menkyo00.htm

不動産業協会(保証協会)への加入

そして、供託所に営業保証金の供託をしない不動産会社さん(9割以上が該当すると思いますが)は、宅建業免許の申請に合わせて、保証協会および業協会に加入することになります。

業協会はハトマークの全国宅地建物取引業協会と、ウサギマークの全日本不動産協会の2つがあります。

全国宅地建物取引業協会

http://www.zentaku.or.jp/

全日本不動産協会

http://www.zennichi.or.jp/

それぞれ、活動内容や諸会費等が異なりますので、不動産業で独立する方は、早めに両協会に電話相談するなどして、パンフレット一式を比較参照しておくと安心です。

不動産業の営業開始

東京都の宅建業免許申請は、約1ヶ月弱で免許の通知が届きます。その後、引き続き業協会で約1ヶ月の審査期間がかかりますので、全体では申請から2ヶ月弱で、不動産業の営業を開始できることになります。

会社設立や宅建業免許でお悩みのときは

以上、かなり端折って概要を説明したものの、意外と文章量が多くなってしまうくらい、実は不動産業で独立するためにはいくつもの手続きを経る必要があります。

「各手続きを迅速に進めたい、間違いなく不動産業を開業できるようにしたい。」

これまであまりなじみの無かった方も多いかもしれませんが、司法書士事務所、行政書士事務所というのは、そんな煩雑な手続きでお困りの起業家様に代わって、各種書類の作成や手続きの代行を日々行うことを業務としています。

起業後の不動産登記や各種契約書でもお力になることができますので、不動産業の起業や経営でお困りの際は、一度ご相談いただければと思います。貴方の開業と経営を、しっかりサポートいたします。

 

宅建業免許の申請や不動産会社設立に関する初回相談は、無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方は、お電話・メールでご予約ください)

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